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洋画サスペンスが作品の構成、ストーリーテリング、トリックの作りなどを重要視するのに対し、邦画サスペンスはよりポップに、あるいは重厚なテーマを伴い心情に寄り添った作品が多いことが最大の魅力です(それが日本人であるがゆえ共感を深めやすいということだとしても)。

そこで、謎解きとドラマ、一度で二度美味しい邦画サスペンスの珠玉の名作たちをランキング形式でお届けします。

【40位】ゴールデンスランバー



数々の受賞歴を持つ日本屈指の名作家・伊坂幸太郎の同名小説を元に映画化した本作。
ビートルズが1969年に発表したアルバム「アビイ・ロード」に収録された同名の曲からタイトルが取られていることでも有名な作品です。

国民投票によって首相が選ばれる現代。宮城県仙台市では金田首相の盛大なパレードが行われていた。
主人公で元宅配員の青柳雅春(堺雅人)は大学時代の親友、森田森吾(吉岡秀隆)と久しぶりに再会するが、どこか様子がおかしい。

その直後、首相が乗った車が謎の爆発を遂げ、青柳と森田の元に警官がやって来る。
森田は死亡、青柳は首相暗殺の首謀犯と世間に公表され、逃亡生活を余儀なくされることになる…。

社会派サスペンスかと思いきやドラスティックな展開もあり、ともすれば破綻しそうな展開をうまくまとめたシナリオと、キャラクターの深い掘り下げが魅力。
緊迫した展開の中にもどこか哀愁を感じさせるユーモラスな空気感が含まれていることもみどころです。青春ドラマなどが好きな方もぜひ。

【39位】ヘルタースケルター



マンガ家・岡崎京子による同名の作品を映画化した本作。
2012年に公開され、5年ぶりの主演を務めた沢尻エリカが過激なシーンに体当たりで挑んでいるところも注目の作品です。

年齢・経歴が全て非公表のファッションモデル・りりこ(沢尻エリカ)。
突如彗星のように現れた彼女はまたたく間にトップモデルの地位まで登りつめ、映画にも出演するなど確かな地位を獲得する。
しかし、彼女は全身のほとんどを美容整形で作り変えているという秘密があった。

プライベートでの恋人との破綻、自身の秘密を暴こうとするものの追求、生まれながらの美しさを持った強力なライバルの出現などにより、りりこは少しづつ精神的に追い詰められて行く…。

過剰報道、整形疑惑などをはじめとする芸能界の闇をまとめて放り込んだような非常にドロドロした作品。
写真家としても活動する蜷川実花監督の極彩色を多用する映像センスと相まって、一種「狂気的な美しさ」を表現しきっています。

フィルム・ノワール寄りのサスペンスが好きな方はぜひ観てほしいところ。

【38位】後妻業の女



直木賞受賞作家・黒川博行の2014年の小説「後妻業」を元に、主演大竹しのぶで2016年に実写映画化された作品です。

男性を手玉に取る才能に長けた主人公の女性とその関係者が、ターゲットの遺産を目当てに暗躍するさまを描いたサスペンスドラマ/ブラックコメディ。

大阪にある熟年層専門の結婚相談所「ブライダル微祥」。
その実態は高齢者をターゲットに女性を派遣し、後妻になったのち遺産を奪い取ることが目的の集団だった。

ブライダル微祥で「エース」とシて活躍する小夜子(大竹しのぶ)。
彼女は男性を手玉にとる才能に長け、頭の回転も速く狙ったターゲットを逃さない恐るべき「後妻」で…。

良い意味での(?)胡散臭さに満ち溢れた作品です。内容自体は目を覆うような残酷なものですが、ユーモアに富んだセリフ回しや豪華俳優陣の演技力で現実感を感じさせながらもくすっと笑えてしまう展開がみどころ。
クライム映画が好きな方におすすめしたい一本。

【37位】散歩する侵略者


そもそもは劇団イキウメによる同名の舞台作品があり、2017年に映画化されるという珍しい形の作品です(小説化もされています)。
長澤まさみ、松田龍平といった豪華俳優陣で話題になり、カンヌ国際映画祭にも出品されています。

主人公・加瀬鳴海(長澤まさみ)と夫・真治(松田龍平)は結婚生活に疲弊し、仲は冷え切っていた。
ある日、真治は行方不明になってしまう。

数日後、何事もなかったかのように帰宅した真治だったが、まるで別人のように優しく穏やかになり、鳴海はその豹変ぶりに困惑する。
一方その頃、街では一家惨殺事件が起きていて…。

ともすればSFチックに、破綻した世界観になってしまいそうなところを、作品全体に漂う虚ろさとゆるさ、退廃的なけだるさなどがマッチした何とも不思議な魅力を持つ作品。
シュールな映画が好きな方にはぜひ触れてほしい一本です。長澤まさみ、松田龍平の自然かつ説得力のある演技もさすがのひとこと。

【36位】二重生活



2012年に発表された小説家・小池真理子の同名の作品を2016年に実写映画化した本作。
心理学を専攻する大学院生に門脇麦、その脇を長谷川博己・菅田将暉・リリー・フランキーなど実力派が固めています。
映画では小説から一部シーン(恋人のエピソードなど)がカットされています。

大学院で心理学を専攻する主人公・白石珠(門脇麦)はゲームデザイナー・鈴木卓也(菅田将暉)と暮らしていた。
大学の論文で「100人の人間のパーソナリィティとライフスタイル」をテーマに執筆するも苦戦中。

教授の篠原(リリー・フランキー)より「1人だけを対象に観察する」ことを提案された白石は、ふとした偶然から平凡な男性・石坂史郎(長谷川博己)の行動を観察することになる…。

偶然からはじまった尾行をきっかけに、他人になりきる二重生活がはじまり、果ては「自分とは何か」という哲学的なテーマが内包された作品です。

緩やかな空気に満ちていますがスリラー的要素もあり、好きな方はぜひ。

【35位】マンハント



作家・西村寿行の同名小説が1976年に高倉健主演で実写映画化、それを2017年にリメイクした作品です。
世界の巨匠、ジョン・ウーが監督、チャン・ハンユーが主演を務めるなど厳密には中国映画ですが、W主演に福山雅治が起用されたことから今回の選出となりました。

国際弁護士として活動するドゥ・チウ(チャン・ハンユー)がある日目を覚ますと、側には死体があり、犯人だと示す状況証拠があった。
身に覚えがないままに現場から逃走するチウ。刑事・矢村(福山雅治)は要請を受け、チウの追跡を開始。徐々に彼を追い詰めていくが、同時に矢村は事件に対して違和感を持ちはじめていた…。

サスペンス映画として観た場合にはやや話の前後が分かりにくく、展開も強引かもしれません。
が、全編に散りばめられたスタイリッシュさとコミカルさ、儚さと退廃的な美的感覚を備えた「ジョン・ウー節」満開のアクションシーンに心を奪われること間違いナシ。

日本人である福山雅治がこれに果敢に挑戦、見事成し遂げていることも嬉しいポイントです。

【34位】去年の冬、きみと別れ



「土の中の子供」で芥川賞を受賞した作家・中村文則の同名小説を元に実写映画化された作品です。
EXILE、三代目J Soul Brothersなどで活躍する岩田剛典が体当たりで演技に臨んだ本格派サスペンス。共演に山本美月、斎藤工、北村一輝など豪華キャストが脇を固めます。

若手の有望ルポライター・耶雲恭介(岩田剛典)は、ある事件を追いかけていた。
その事件とは盲目の女性が巻き込まれた焼死事件。数多くの謎を残し、未だ解決されないでいた。

当時容疑者であった世界的な写真家・木原坂雄大(斎藤工)に関して調査を進めるうちに闇に飲み込まれていく耶雲。
やがて危険は婚約者・松田百合子(山本美月)にまで及び…。

話題性を重視してポップなキャスティングを選び観やすい作品に仕上げた…と思いきや、イメージの裏を突いた人間像が垣間見える非常に巧妙な作品です。

ストーリテリング・演出もしっかりしていて最後まで飽きさせることなく魅せる展開も見事。
ミステリーが好きな方にもおすすめです。

【33位】万能鑑定士Q -モナ・リザの瞳-



作家・松岡圭祐のベストセラーシリーズ「万能鑑定士Qの事件簿」から「IX(9作目)」実写映画化した本作。
膨大な知識と高い思考力を持つ女性鑑定士が、レオナルド・ダ・ヴィンチの名作「モナ・リザ」に秘められた謎に迫るミステリー/サスペンスです。

ルーブル美術館が所蔵する名画「モナ・リザ」が40年ぶりに日本へと渡ることとなり、アジア圏の美術館責任者である村上により、凛田莉子(綾瀬はるか)が鑑定員候補として選出される。

鑑定員のテストを受けるため、編集者の小笠原悠斗(松坂桃李)と共にバリに向かう莉子。無事テストに合格し、研修を受ける莉子だったが、原因不明の異変により次第に鑑定眼が狂っていく…。

ミステリの常識ともいえる「誰かが事件に巻き込まれ、命を落とす」ということがなく、純粋に知能犯との頭脳の駆け引きを描いた良作です。

全体のバランスを見るとやや平坦なものの、細かい設定が描き込まれており、丁寧に作られた印象を受ける作品です。

綾瀬はるか、松坂桃李の柔らかい雰囲気も好印象で、「謎解きは好きだけど猟奇ものはちょっと…」という方にピッタリ。

【32位】クリーピー 偽りの隣人



「岸辺の旅」の黒沢清監督が前川裕の日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作を映画化。

元刑事で現在は犯罪心理学者の高倉(西島秀俊)は、かつて同僚だった刑事・野上(東出昌大)から、6年前に発生した一家失踪事件の分析を依頼される。

だが、事件唯一の生き残りである長女・早紀(川口春奈)の記憶をたどり調査を進めても核心にはたどりつけずにいた。

一方、高倉が妻・康子(竹内結子)と共に最近引っ越した新居の隣人は、病弱な妻と中学生の娘・澪(藤野涼子)をもつ人の良さそうな主人・西野(香川照之)のどこかつかみどころのない家族だった。
そんなある日、澪は高倉に「あの人、お父さんじゃありません。全然知らない人です」と告げる…。

主演は4度目の黒沢作品への出演となる西島秀俊。共演は竹内結子、川口春奈、東出昌大、香川照之と豪華な俳優陣も見どころです。

【31位】イニシエーション・ラブ



小説家・乾くるみのミリオンセラーをとなった同名の作品を、「TRICK」シリーズなどでおなじみ堤幸彦が監督を務め実写映画化した本作。
恋愛小説の体裁をとりながらも後半の強烈などんでん返しからミステリーとして非常に高い評価を得ています。

読書好きの青年・鈴木(松田翔太)は、友人の代役として参加した合コンで出会った成岡 繭子(前田敦子)に惹かれるが、女性に奥手な性格からろくに話もできず、合コンは終わってしまう。

その後、ふとしたきっかけで繭子と再会した鈴木は、彼女から電話番号を教えてもらう。
徐々に仲を深めていく2人は…。

鈴木と繭子、2人の出会いを描いた「Side-A」、遠距離恋愛の様子を描いた「Side-B」と2パートに分けて構成されますが、舞台設定が1980年代後半ということもあり清々しいまでのラブロマンスです。
最後の5分までは。

結末はここでは書けませんが、わずか5分(原作では2行)衝撃的などんでん返しはサスペンス/ミステリ好きの方でも意表を突かれること必至。

【30位】64-ロクヨン-後編



「クライマーズ・ハイ」「半落ち」など映像化された名作も多い小説家・横山秀夫の人気作「D県警」シリーズの第4作目を実写映画化した作品。

作者本人が肉体的・精神的なトラブルと戦いながら書き上げ、さらにそれを全面的に改稿するという正に魂をかけた作品だけあり、映画も前後編の2作に分け並々ならぬ決意を持って製作されました。

昭和64年に起きた当時7歳の少女の誘拐殺害事件。大規模な捜査を展開したにもかかわらず被害者死亡、被疑者逃亡で未解決のこの事件は、警察の汚点として「64(ロクヨン)」の通称で呼ばれていた。

年号が変わって時効間近の平成14年、当時の捜査班に所属した刑事・三上義信は警務部広報室に異動となる。
記者クラブの執拗な追求、組織内の対立などが浮き彫りになる中、ロクヨン事件を彷彿とさせる誘拐事件が再び発生する…。

原作にあったいくつかのシーン・セリフをカット、終盤にオリジナルシ-ンを追加するなど原作との違いも楽しめる作品。
全編に漂う重厚感、実力派キャストによる人物の内面を映し出す演技、丁寧な事件背景の描写など、本格社会派ミステリ/サスペンスが好きな方は文句なしにおすすめの作品です。

【29位】劇場版 MOZU

逢坂剛による警察小説を基にしたTVドラマ『MOZU』の劇場版。



推理作家・逢坂剛による公安警察の活躍を描いた「百舌シリーズ」から「百舌の叫ぶ夜」「幻の翼」を原作にドラマ化された「MOZU」シリーズ。

本作はドラマの続編ともいえる映画化作品です。警視庁公安部に所属する「公安のエース」倉木を中心に特務第一課の活躍を描くサスペンス/クライム・アクション。

「公安のエース」こと倉木尚武(西島秀俊)は、かつて謎の死を遂げた妻の死の真相を究明したものの警察内部の闇を知り退官、自暴自棄の生活を送っていた。
そんなある日、倉木は同じく組織への不信感から私立探偵へと転身した元同僚・大杉(香川照之)や明星と共に大規模なテロ事件に巻き込まれる。

独自に捜査を進めるうちに日本事件史最大の闇、「ダルマ」の関連が浮かび上がり…。

原作にはないオリジナル要素「ダルマ(ビートたけし)」の存在を全面的にフィーチャーした本作。巧妙な推理展開やメッセージ性を重視する本格ミステリーというよりも、キャストの本格的なアクションや日本離れした映像表現に注目したい作品です。

とはいえ爽快な、とは言い難い退廃的な空気感に全編包まれており、クライムアクションを好きな方におすすめしたい一本です。

【28位】三度目の殺人



「万引き家族」で21年ぶりのパルムドールを受賞するという偉業も記憶に新しい是枝裕和監督オリジナル脚本による大作サスペンス。
主演に「そして父になる」に続きタッグとなる福山雅治を迎えたいわゆる「法廷モノ」で、こちらはヴェネツィア国際映画祭の出品作品です。

「法廷闘争にて勝利第一主義」を掲げる敏腕かつ冷静な弁護士・重盛朋章(福山雅治)は、殺人の前科を持つ三隅高司(役所広司)の弁護をやむなく引き受けることとなる。
面会のたびにころころと供述を変える三隅の態度に疑念を抱いた重盛は、調査するうちに事件の被害者の娘・山中咲江(広瀬すず)との接点にたどり着く…。

作品ごとに痛烈な社会的メッセージを込める是枝裕和監督らしい社会派サスペンスです。
正義とは?というテーマを軸に宗教観や哲学的な観点も絡んでくるので、気軽に楽しめるとは言い難いですが、分厚い人間の心理模様の描写はサスペンスやヒューマンドラマが好きな方におすすめです。

【27位】ユリゴコロ



小説家・沼田まほかるによる2011年の同名作品を実写化し、2017年に公開された本作。
主演の吉高由里子をはじめ、松坂桃李、松山ケンイチといった豪華キャストでも話題になりました。
度重なる事件や事故に見舞われ、孤独となった男性がある日ノートをきっかけに秘密に迫ってゆくミステリー/サスペンスです。

何不自由ない幸せな暮らしを送ってきた亮介だったが、婚約者である千絵は失踪し、父は末期がんで余命宣告、母は交通事故で命を落とし、数ヶ月で人生のどん底へと転落してしまっていた。
ある日、父の書斎で何気なく見つけたノート。「ユリゴコロ」と名付けられたそのノートには、現実とも空想ともつかない独白が書き込まれていた…。

ミステリーであり、サイコホラーでもあり、ヒューマンドラマでもある非常に多彩な味わいを備えた作品です。

映像と言葉の使い方が効果的で、現実と非現実の間をたゆたうような世界観に引き込まれていく映画。
吉高由里子の神秘的ともいえる残酷さ・無垢さも必見です。

【26位】僕だけがいない街



「月刊ヤングエース」上にて連載され、400万部突破のスマッシュヒットとなった三部けいの作品を実写映画化した本作。
タイムリープ能力を持った主人公が過去と現在を行き来しながら、人々を悲劇から救おうとする姿を描いたSFミステリー/サスペンス。

自ら「リバイバル(再上映)」と呼ぶタイムリープ能力を持った冴えないマンガ家・藤沼悟。
その能力は「悲劇(事件や事故)の原因が取り除かれるまで時間を繰り返す(さらに自分の意志は関係ない)」というもの。

ある日アルバイトのピザ宅配中に交通事故に遭遇した悟は、リバイバルが発動、被害を減らすことに成功したものの怪我を負い入院することになる。これをきっかけに悟の周辺が少しづつ変化して…。

映画公開当時、原作が完結していなかったため、オリジナルの展開が含まれていることが特徴的な作品。このような手法は主に原作ファンの間で賛否が分かれがちですが、本作はおおむね好評。

その理由は映画の時間的制約の使い方がうまい、つまりテンポがよく、物語の起承転結のバランスに優れていることでしょう。

原作ファンの方、サスペンス/ドラマ好きの方はぜひ。

【25位】白夜行



直木賞受賞作家・東野圭吾のベストセラー小説を実写映像化した作品です。
2006年のドラマ化に続き、2011年に映画化されました。ある理由で起きた殺人事件をきっかけとした人間模様と事件の謎を追うサスペンス。

堀北真希と高良健吾が主演を務め、ベルリン国際映画祭に出品されました。

昭和55年、ある質屋の店主が殺害される事件が起こる。
被害者の妻である桐原弥生子と不倫相手(愛人)の松浦勇に疑いがかかるものの、息子・亮司によってアリバイが証言される。

その後、被害者が事件直前に訪ねたという情報を得た警察は西本文代に嫌疑を向けるが、直後に文代の恋人が事故死、質屋殺しの証拠が発見され、後を追うように娘・雪穂を残し文代も死亡。
被疑者死亡で事件は解決に向かう。

あまりに出来すぎた展開に刑事・笹垣潤三は被害者の息子・亮司と容疑者の娘・雪穂へのわずかな疑念を消せないでいた…。

亮司と雪穂の淡くも儚いラブロマンスが最大の見せ所であり、それゆえ原作とのギャップが生じたドラマ版。
対して映画版はより原作に忠実に、東野圭吾の世界観・空気感を丁寧に再現したという印象です(ラストシーンは異なります)。

その特徴は主演2人の心情があえて淡白に抑えられ、周囲の言動や状況から外堀を埋め、型抜きをするように視聴者自身が彼らの心情を解釈するという手法が取られていること。
いわば文字が得意とする表現方法を映像に転換した、ある意味で非常に文学的な作品です。
本格派サスペンスが好きな方はぜひ。

【24位】ソロモンの偽証 前篇・事件



推理小説を中心に執筆し、直木賞も受賞した大家・宮部みゆきの原作を元にした映像作品です。
「前編・事件編」と「後編・裁判編」の2部作で公開されました。校内で起きたある生徒の転落死事件の謎を、生徒による校内裁判で究明しようとした顛末を描いたサスペンス。

1990年12月25日、城東第三中学校の校舎の脇で同校の2年生・柏木卓也の遺体が雪の中から発見される。
当初警察の手により「飛び降り自殺」と死因が特定されたものの、学校あてに卓也は3人の生徒によって殺害されたという告発の書状が届く。

校長・津崎は佐々木刑事と話し合い、書状の存在を伏せたまま生徒に「カウンセリング」を行うが…。

事件を生徒の手によって解決するという展開はややもすると現実感に欠けているように映るかもしれません。
が、「事実の真贋は抜きにして一刻も早く収束をはかりたい大人の都合」と「あくまで真実を追求しようとする少年少女の姿」の対比が痛烈な社会的メッセージを含んだ作品です。

残酷なまでの描写に耐えられる方はぜひ観てほしいところ。

【23位】ミュージアム



「週刊ヤングマガジン」誌上にて連載された巴亮介による作品を実写映画化し、2016年に公開された作品。
「るろうに剣心」シリーズの大友監督が指揮を執り、主演に小栗旬を迎えたサスペンス。
「カエル男」と呼ばれる連続猟奇殺人犯と、それを追い詰める刑事の対峙を描いた作品です。

その職業柄から家庭を顧みる余裕がなく、妻と息子に家出されてしまった刑事・沢村久志(小栗旬)。
彼は生きたまま野良犬に喰い殺されるという猟奇的殺人事件の捜査を担当することになる。

犯人として浮上したのは、殺人を芸術作品と主張するカエルのマスクをかぶった通称「カエル男」。
捜査を進めるうち、事件の関連性に気づいた沢村は徐々に追い詰められていく…。

異常な思考(嗜好)を持つ快楽殺人者と刑事の対峙という、サイコスリラー要素が強めの作品。
残酷な描写も多いので、グロ要素が苦手な方は気をつけてください。全体的にすっきりまとまっており、表面上の猟奇的な題材とのバランスが上手くとれている印象。
「カエル男」の正体も要チェックです。

【22位】白ゆき姫殺人事件



社会派ミステリーの大家・湊かなえによる同名の小説を実写映画化し、2014年に公開された作品です。

主演は井上真央、脇を固めるのは綾野剛、染谷将太、蓮佛美沙子、菜々緒、貫地谷しほりと実力派揃い。インターネットにおける過剰報道や炎上といった問題に真っ向から切り込んだサスペンス映画です。

長野県の国定公園で、ある化粧品会社に勤める女性社員・三木典子が複数箇所をめった刺しにされた上、焼死体となって発見される。
ワイドショーの制作ディレクター・赤星雄治は、知人から提供された情報を元に化粧品会社の同僚、城野美姫と事件の関連性についてTwitterを投稿する。

殺害されたのが化粧品会社の美女であったことなどから話題性を呼びいつしか「白ゆき姫殺人事件」と名付けられたこの事件は日増しに報道が熱を帯びはじめ…。

良い意味で(作品が意図したメッセージ性がきちんと反映されているという点で)非常に胸糞の悪い映画です。
話題性重視で真贋をおろそかにしたまま報道するマスコミ、それを真実だと思い込み、あるいは嘘だと知りながら面白半分で煽り立てる匿名性の恐怖。

怒りを覚えると共に、こうしたシステムに私達も加担している責任の一端があることを痛感させられる社会派作品です。

【21位】悪の教典



推理小説・SF小説などを得意とする作家・貴志祐介による同名の作品を実写映画化した本作。
サイコキラー×学校教師というある意味で最悪の組み合わせをテーマに、事件の顛末を描いたサイコホラー/サスペンスです。
主演の伊藤英明の爽やかなイメージゆえの裏表の怖さが評判になった作品。

「ハスミン」の愛称を持ち、頭脳明晰・運動能力バツグン・容姿端麗、さらに高いコミュニケーション能力を備えた教師・蓮実聖司(伊藤英明)。
女生徒からはもちろん、PTAや学校関係者からも高い評価を得ていた。
しかし、彼にはとある裏の顔があり、それを疑うものや蓮美を疑うものが次々に姿を消して行く…。

サスペンス特有の心理描写や状況から疑念を感じさせ、謎を追跡していくという手法ではなく、まず蓮美という異常な存在があり、彼が猟奇的な行動に走る様子に驚愕を覚えるというホラー的構造を持った作品。

ゆえに主人公の異常性がどれだけ伝わってくるかが作品の魅力に直結しますが、伊藤英明のイメージを逆手に取ったサイコパスな演技が秀逸、日本産サイコホラーを求める方はぜひ観てほしいところです。

【20位】ミスミソウ



ホラーを得意としながらも多彩な作風を持ち、「ハイスコアガール」などでも人気を博したマンガ家/作家/ミュージシャンである押切蓮介の同名漫画を実写映画化した本作。
いわゆる「オカルトもの」ではなく、人間の持つ闇が生んだ悲劇を描いたサイコホラー/サスペンスです。

半年前、東京から大津馬村へと引っ越してきた少女・野咲春花。
心優しい両親と妹に囲まれ自身も誠実な性格だったが、「よそ者」という理由で大津馬中学校のクラスメイトから壮絶ないじめを受ける。

家族に心配をかけないため、必死に耐える春花だったが、いじめは日に日にエスカレートし、遂には家族の命を奪われる。

さらに自殺を強要してくるクラスメイトの姿を見て、春花は自らの命をかけた復讐を決意する…。

ジャパニーズ・ノワールスタイルと呼んでも差し支えのないほど全編を漂う退廃的な空気感と絶望感・狂気ゆえの美しさと儚さ。
あまりに切なく刹那的であるからか、一周回って笑えてくるのも独特の魅力です。
鬱展開が大丈夫な方、グロ耐性のある方には一度は触れてほしい作品です。

【19位】64-ロクヨン-前編



作家・横山秀夫の渾身の大作を実写映画化した本作。
後編に続いてランクインです。昭和の最後の年、64年に起きた少女誘拐事件、通称「ロクヨン」とそれに関わる警察関係者の執念を描いたサスペンス大作です。

昭和64年、当時7歳だった少女・雨宮翔子の誘拐殺害事件が起こる。
捜査一課の刑事、三上義信は当事件を担当し、犯人の追跡を試みるが失敗、5日後に少女は遺体となって発見される。

D県警ではこの事件を「64(ロクヨン)」と呼び解決に努めるが、手がかりのないまま時だけが過ぎ、捜査本部も縮小されていった。
そして、時効間近の平成14年、止まっていた時が動き出す…。

とにかく各俳優陣の演技が秀逸な作品です。
犯人追跡の緊迫感・事件の臨場感・残された家族の悲壮感など、そのリアリティに圧倒され感情移入必至。
前編の方がランキングを上としたのは2部作の性質でもある「広げた風呂敷を後半にたたむ必要がある」ため、どうしても後半が説明的になるから。

とはいえ、ぜひ2作とも観てほしいところです。

【18位】罪の余白



推理作家・芦沢央によって2012年に発表された同名の小説を実写映画化した作品。
最愛の一人娘を失った心理学講師が真実を暴くため立ち向かう姿を描いたサスペンスです。
実力派俳優として名高い内野聖陽が主演を務めた作品です。

8年前に妻を亡くして以来、娘のことを第一に考え生活を送ってきた心理学講師・安藤聡(内野聖陽)。
ある日突然、娘の加奈が学校で転落死したという報せを受け、愕然とする。

悲しみに暮れる安藤の元に、加奈のクラスメイトである木場咲が現れ、当時の様子がわかるものがないかを問う。
二人で加奈の日記を探すうちに、聡は恐ろしい事実を知ることとなる…。

娘を奪われた父親と、死に追いやったクラスメイトとの直接の対峙ではなく、心理的な駆け引きが見応えのある作品です。
学校生活の闇といえるスクールカーストについて掘り下げて描かれ、サイコホラー的な要素も入っています。
主演の内野聖陽の静かながら内に炎が燃え上がるような演技も要チェックです。

【17位】悪人



小説家・吉田修一の同名小説を実写映画化した作品です。
「フラガール」の李相日監督が指揮を執り、妻夫木聡と深津絵里が主演を務めています。
日本アカデミー賞で5冠を獲得したことでも話題になった作品。

長崎の漁村で生まれ育ち、祖父母の面倒を見ながら暮らしていた素朴な青年、清水祐一(妻夫木聡)。
一方で佐賀県の紳士服店に勤め、妹と2人暮らしの馬込光代(深津絵里)。

どちらもが空虚な日常に孤独を感じながらも、半ば諦めて生きてきた。そんな2人が出会い、これまでの心の空洞を埋めるように愛を重ねる。
しかし、祐一には誰にもいえない秘密があった。

主演の2人を含めて表現力に定評のあるキャストがずらりと集結。
「悪とはなにか」「愛情とはなにか」という根源的であるがゆえに答えの出ないテーマに真っ向から取り組んでいます。

魂が震えるような互いを思う二人の姿と、イメージで物事を判断し過剰な情報を鵜呑みにする世間のコントラストが美しくも悲しい作品です。

【16位】アマルフィ 女神の報酬



フジテレビ開局50周年を記念して作られた作品です。
そのため、ほぼ全編をイタリアロケで行うなど巨額の製作費が投じられたことでも話題を呼びました。

主演には「踊る大捜査線」でおなじみの織田裕二、相棒役は天海祐希が務め、イタリアで起こったテロ事件に立ち向かう外交官の姿を描いたサスペンスです。

2009年のクリスマス直前のイタリア・ローマ。予告されたテロ事件の対策のため、外交官・黒田康作(織田裕二)は大使館に到着する。
そこでは外務大臣の式典参加準備も並行して行われていた。

そんな忙しい最中、一人の日本人の少女が行方不明になったとの連絡が入る。
徐々に誘拐事件としての全貌を表してゆく事件、テロとの関連性はあるのか…。

特に耳目を引くような斬新な設定や世界観はなし、だからこそ豪華キャストの演技を思う存分楽しむことができます。
特に織田裕二が好きな方は必見。「オールイタリアロケ」を謳い文句にしただけあり、美麗な風景やそれを利用した演出は壮観。

サスペンスでありながら非常にエンターテイメント性の高い作品に仕上がっています。

【15位】乾き。



作家・深町秋生によるミステリー小説「果てしなき乾き」を映画化した作品。
「告白」で話題を呼んだ中島哲也監督が指揮を執り、役所広司が主演を務めています。
主人公である父親の目を通して娘の秘密を追うミステリー/サスペンス映画。

元刑事であったが現在は警備員を勤める藤島秋弘(役所広司)。
そんな彼のもとに離婚した妻から娘が行方不明になったと連絡が入り、娘の捜索をはじめる秋弘。

彼女の行方を探すうち、成績優秀で真面目、学校でも人気者であったはずの彼女の恐ろしい秘密が徐々に姿を現していく。
その秘密を追いかける内に、秋弘自身も狂気に取り憑かれ…。

時系列が入り乱れ理解するのが難解なサスペンスです。とはいえ、作品全編から漂う狂気を感じ、
サイコスリラーのような楽しみ方もできること、アクションシーンのクオリティが高いことでストーリーを追いきらなくても楽しめる懐の深い作品。

猟奇的な内容を含み観る人を選びますが、上記どれかのジャンルに引っかかったらぜひ観てほしいところです。

【14位】不能犯


「グランドジャンプ」誌上にて連載されている宮月新×神崎裕也コンビによるマンガ作品を、2018年に実写化した作品です。
証拠を一切残さない手口で犯行を行う「電話ボックスの男」が起こす事件を描いたサイコスリラー/サスペンス。原作とは一部登場人物の設定が変更されています。

殺してほしい相手とその理由をある電話ボックスに書いて貼り付けておくと、それは実行されるという噂がSNS上で流れていた。

事実、変死事件が連続で発生。証拠もなく、手段や動機も不明で犯行を立証できないことから、警察では犯人を「不能犯」と呼んでいた。
ただ1つの手がかりは事件現場に必ずあらわれる黒スーツの男。

彼こそが「電話ボックスの男」宇相吹正(うそぶきただし/松坂桃李)だった。

サスペンス/スリラーの体裁はありますが、主人公・宇相吹がマインドコントロールでターゲットを死に追いやるところなどがダークヒーローものとしても楽しませてくれる作品です。

いかにもマンガ的な展開ですが松坂桃李の雰囲気が原作とよくハマっていて、人間の希望と絶望を描いたテーマも味わい深く幅広い楽しみ方ができる点がおすすめ。

【13位】八日目の蝉



作家/翻訳家の角田光代による小説を実写映画化した作品です。
誘拐事件を起こした女性の逃亡劇とその顛末を描いたサスペンス/ヒューマンドラマです。
日本アカデミー賞で驚異の10冠を獲得したことでも話題を呼びました。

会社の上司・秋山と付き合っていたOL・野々宮希和子(永作博美)。
のちに彼には妻がいることを知るが、不倫関係を続け、秋山の子を妊娠するも堕胎していた。

自分が子供を産めない身体に知った希和子は、秋山の生後6ヶ月の娘を目にし、思わず連れ去ってしまう。希和子は娘に「薫」と名付け、彼女たちの逃亡生活がはじまった…。

自分の母親が実は誘拐犯であり、他人であった。突然現れた顔も知らない女性が母親となった。
想像を絶する心境に揺れる薫(恵里菜)を井上真央が見事に演じきった作品です。「愛情というのは何を持って存在するのか」ということを優しくも鋭く問う社会派サスペンスの名作。

【12位】怒り



「パレード」「悪人」などで次々と話題を呼ぶ作家・吉田修一の小説を映画化した作品です。
「悪人」に続いて李相日監督とタッグを組み、主演に世界の渡辺謙を迎えたミステリー/サスペンス。
父親と娘、その恋人を中心にした群像劇が描かれています。

東京・八王子にてある夫婦の殺傷事件が発生する。
犯行現場は被害者の自宅、鍵は壊された形跡がなく、ドアには「怒」と血文字で描かれていた。

捜査が開始されるも有力な手がかりは得られずにいた。1年後、千葉・東京・沖縄にそれぞれ経歴不明の男が現れ、徐々に周囲との関係を築きはじめる。

その頃、警察によって八王子事件の犯人と思われる男の似顔絵が公開され、それぞれに変化が起きはじめる…。

「犯人は誰なのか」という冒頭の謎にはじまり、それぞれの人間関係を濃密に描く中盤、そして再び事件の顛末を追う終盤と、重たいテーマながら飽きることなく一気に魅せる名作。
渡辺謙をはじめとするキャスティングが豪華で、彼らの鬼気迫る演技を見るだけでも価値アリです。

【11位】インシテミル 7日間のデス・ゲーム



作家・米澤穂信による推理小説「インシテミル」を、「リング」「仄暗い水の底から」などの中田秀夫監督の元、映像化した作品です。
ある心理ゲーム(実験)に集められた人々の混乱を描いたサイコサスペンス/ミステリー。
原作とは細かい設定が異なっています。

男女計10人が、時給11万2千円という高額報酬につられ「暗鬼館」という建物に集まった。
報酬を受け取る条件は、「7日間そこにいて監視されるだけ」。

しかし10の部屋には鍵がついておらず、用途不明の凶器がそれぞれに渡される。7日後、全員に報酬が配られて実験終了となるはずだったが、2日目に最初の犠牲者が出る…。

ある条件のもとに心理的に制限し、狂っていく人々を描くいわゆる「デス・ゲーム」ものが好きな方は安定的に楽しめる作品です。
藤原竜也・綾瀬はるか・石原ひとみなどの豪華キャストの共演もみどころ。

設定やストーリー構造はそこまで複雑ではないので、パニックホラーなどが好きな方にもおすすめしたい作品です。

【10位】22年目の告白-私が殺人犯です-



2012年に公開された韓国映画「殺人の告白」をリメイクし、2017年に公開された作品です。
未解決の連続殺人事件の犯人と名乗る男の犯罪の告白と事件の顛末を描いたサスペンス。
原作がアクション寄りのサスペンスだったのに対し、日本版は社会的なメッセージを含んだサスペンスとなっています。

1995年に起きた5件の連続殺人事件。犯人は被害者に親しいものに見せながら犯行をするという残忍極まりない手口を好んだ。
警察の懸命な捜査も及ばず犯人の手がかりはないまま、事件は時効を迎えてしまう。

事件より22年後、曾根崎雅人と名乗る男が現れ「自分は連続殺人事件の犯人だ」と名乗り、告白本を出版し大きな話題を呼ぶが…。

サイコパスな自称犯人役の藤原達也、当時の捜査関係者で刑事役の伊藤英明がそれぞれにハマりすぎるほどハマっています。
またその明と暗の対比が浮き彫りになっていて、社会的なテーマを持ちながらも一気に引き込まれるある種のポップさも備えた作品。
「被害者に時効はない」そのことを痛感させられる名作です。

【9位】祈りの幕が下りる時



作家・東野圭吾原作の大ヒットシリーズ「新参者」の実写化完結作品です。
主演にはドラマに続いて阿部寛を起用、かつては教師、現在は警官の加賀恭一郎が事件に立ち向かう様子を描いたミステリー/サスペンスです。

東京都・小菅にあるアパートの一室で、死後時間が経過した40代・押谷道子の遺体が発見される。
同室の住人・越川睦夫は現在行方がわからなくなっていた。

同じ頃、新小岩でホームレスが焼死する事件が起きる。両事件の関連性を疑いながら、松宮刑事は捜査を進めるうち、捜査線上に浅居博美という女性が浮上する。
彼女は加賀の知人でもあった…。

人気シリーズは伊達ではなく、作品中に散りばめられた伏線が鮮やかに回収されていく様子は見事のひとことです。
複雑になりがちな展開も上手く整理されていて、無理なく頭に入ってきます。

わざとらしくなく親子愛や家族の絆を絡めてくる点も高評価です。シリーズのファンの方はもちろん、はじめての方はドラマも含めて観てほしい作品です。

【8位】カイジ 人生逆転ゲーム



マンガ家・福本伸行の人気作「カイジ」シリーズを映画化した第一作。
原作から登場人物の設定が一部変更されていて、「賭博黙示録」から限定ジャンケン・鉄骨渡り・Eカードが収録されています。
主人公の伊藤開司(カイジ)が命と大金を賭けてさまざまなゲームに挑戦するさまを描く作品。

その日暮らしの生活を送る冴えないフリーター・伊藤カイジ(藤原竜也)。
彼の元に金融会社社長・遠藤(天海祐希)が借金の取り立てに現れる。債務者が逃亡、保証人のカイジに支払い義務があるという。

返済ができないカイジに、遠藤はある船に乗船することを提案する。
船の名はエスポワール。大金と人生をかけた勝負が行われている場所だった…。

設定が練られたゲームを行う上、展開がスピーディーなので原作を読んでおいたほうが感情移入しやすいという難点こそありますが、それを差し引いても個性豊かかつ多彩なキャラクターに引き込まれる作品です。
マンガの個性とキャストの個性がうまく噛み合った好例。
原作ファンではない方にもぜひおすすめしたいところです。

【7位】ビブリア古書堂の事件手帖



ライトノベル作家・三上延の累計発行部数680万部を誇る同名小説を映画化した作品です。
書物に関して膨大な知識を持つ人見知りの主人公・栞子が店主を務める古本屋「ビブリア古書堂」に持ち込まれる古書の謎を解いていくミステリー。

鎌倉にひっそりと建つ古本屋「ビブリア古書堂」の店主である篠川栞子(黒木華)は、鋭い観察眼と膨大な知識を持っているが極度の恥ずかしがりで人見知り。

ふとしたきっかけでビブリア古書堂で働くことになった活字恐怖症の青年・五浦大輔と働いていた。
ある時、栞子が大切に保管する太宰治の「晩年」を何者かが狙っていて…。

事件の謎そのものを追いかけるというより、ノスタルジックな雰囲気や過去の儚いエピソードに心を震わせる青春ドラマとしての要素も強い作品です。

主演の黒木華の柔らかな透明感も作品とマッチしていて、原作とはまた違った魅力を放っています。
ヒューマンドラマ・ラブロマンスが好きな方もぜひ。

【6位】トリック劇場版



大ヒットドラマシリーズ「トリック」の劇場化作品。
長所と短所が極端なマジシャンと物理学者のデコボココンビが、不可思議な事件に立ち向かうミステリー/サスペンス。

「20世紀少年」シリーズ「イニシエーション・ラブ」を手がけた堤幸彦、主演はドラマから引き続き仲間由紀恵×阿部寛が務めます。

300年に一度現れる亀によって災いをもたらされるという伝説がある糸節村。
村の青年団より、村人を不安から解放するため神様を演じてほしいと頼まれた奈緒子(仲間由紀恵)。

村に向かってみると、そこにはすでに3人の男がおり、上田(阿部寛)と共に「誰が本当の神様か」をかけて対決する羽目になる…。

「超常現象に見せかけた巧妙なトリックを奈緒子と山田が協力して見破り、解決する」という基本構造は良い意味で変わっておらず、多彩なキャストが織りなす作品の本筋に不釣り合いなほどのユーモアも健在。
本格的かつどこか不思議でおかしいサスペンス/ミステリーが観たい方には文句なしにおすすめできる作品です。

【5位】DEATH NOTE the Last name



大場つぐみ×小畑健による名作「DEATH NOTE」を実写映画化した作品の第2作目です。
名前を書かれた人間が死ぬ魔界の道具「デスノート」を拾った夜神月と世界中の警察組織を意のままに動かせる名探偵・Lの天才同士の頭脳バトルを描いた後編にあたる作品。

キラを崇拝する少女・弥海砂(戸田恵梨香)は死神レムのデスノートを手に入れ、「第二のキラ」となった。
一方、夜神月(藤原竜也)は非公式に作られたキラ対策の組織本部へ捜査員として潜入することに成功する。

L(松山ケンイチ)は月に「竜崎」という偽名を名乗り、真正面から「月がキラではないか?」と問いかける…。

複雑に絡み合う原作のシナリオを全編に続き過不足なくまとめ上げた秀作です。
映像表現・キャスティング・演出共に余計なアレンジを加えず「原作を映像化する」ということに真摯にこだわった姿勢が全編通して溢れています。前作はもちろん、マンガ版を読んでいない方はそちらもぜひ。

【4位】告白



作家・湊かなえのベストセラー小説を「下妻物語」「渇き。」などの中島哲也監督の元、実写映画化した作品。
娘を亡くした学校教諭が、生徒たちが隠している秘密を暴き、真実に迫る社会派サスペンスです。

とある中学校の1年B組の担任・森口悠子(松たか子)。
彼女はホームルームで生徒たちに伝える。自分が離婚していること、事故死と判断された娘は、実はあるB組生徒に殺されたと確信していることを。

続けて、娘を殺害した方法を説明し、犯人の給食にHIV感染者の父親の血液を混入させたと語る。
その口ぶりから特定の生徒を指しているのは明らかであり、教室は騒然となる。

法の手の届かない悪について、そしてそれぞれの愛情とは?全編を貫く強いメッセージ性と、中島監督のポップともいえる演出手法、そして松たか子の淡々とした中にも複雑な思いを感じさせる演技が噛み合わさった結果、唯一無二の雰囲気を持つ現実的かつ幻想的な作品に仕上がっています。

社会派サスペンスが好きな方には避けて通れない名作です。

【3位】DEATH NOTE



大場つぐみ×小畑健の名作、「DEATH NOTE」の映像化作品の前編にあたる作品です。
前後編合わせて興行収入80億円を突破、2006年に公開された、原作と合わせて社会現象になったクライムサスペンス/ファンタジー。

頭脳明晰でスポーツ万能、警察症に勤める父譲りの強い正義感を持つ主人公夜神月(藤原竜也)は、ある日一冊の黒いノートを拾う。
そのノートは書かれたものが死亡時期と死因を操る「デスノート」だった。

デスノートを使い、世の中の犯罪者に裁きを下していく月はいつしか「キラ」と呼ばれ、一部の住民から崇められるようになる。

そんな中、警察組織は不可解な犯行を止めるため、世界屈指の名探偵・L(松山ケンイチ)を招聘する。こうしてキラとLの知略を尽くした戦いがはじまった…。

大げさになりすぎておらず自然かつ原作に沿ったキャラクターを表現したキャストの魅力が光る作品です。
特に当時あまり知られていなかった松山ケンイチ演じるLが大きな話題を呼びました。

脚色を加えながらも原作をわかりやすく再現した構成も特徴で、特殊能力を用いたサスペンスが好きな方は絶対に観てほしいところです。

【2位】容疑者Xの献身



作家・東野圭吾の原作をドラマ化した人気作「ガリレオ」シリーズの劇場作品です。
ドラマから湯川教授役の福山雅治、内海薫役の柴咲コウが引き続き出演。石神哲哉演じる堤真一と花岡靖子役の松雪泰子を中心に物語が展開していくのも大きな特徴です。

弁当屋で働きながら娘と二人で暮らしている花岡靖子(松雪泰子)。
ある日、彼女たちのもとに分かれた元夫・富樫が訪ねてきて暴力を振るう。

靖子と娘・美里は抵抗したはずみで富樫を殺害してしまう。呆然とする親子の前に現れたのは、アパートの隣人であり、湯川と大学で同期の天才数学者・石神哲哉(堤真一)だった。

靖子たちに特別な思い入れがあった石神は、アリバイ工作を指示、犯行を隠蔽しようとするが…。

口数があまり多くないながら、靖子への愛情や容赦ない現実への憤り・悲しみを表情や佇まいで表現しきった堤真一の演技をまずは観てほしい作品です。
原作を多少脚色しながらも世界観を壊さない程度にまとめた構成もポイント。

「悪とはなにか」を考えさせられ、ラストシーンの余韻が儚くも美しい名作。

【1位】人魚の眠る家



人気作家・東野圭吾のデビュー30周年記念作品である同名小説を映画化した本作。
「トリック」「SPEC」シリーズも手がけた堤幸彦が監督を務め、主演に篠原涼子を起用した作品です。

夫・播磨和昌(西島秀俊)の浮気が原因で別居中の妻・薫子(篠原涼子)。
夫婦は娘・瑞穂が小学校に上がるのを待って離婚する予定でいた。

しかしある日、薫子の母親に連れられていったプールで瑞穂が溺れてしまい、一命は取り留めたものの植物状態になってしまう。
回復が見込めないことから臓器提供をするかどうかの判断を医師に迫られた夫婦は…。

命について。家族について。人間の欲望と狂気について。
生きる上で避けて通ることのできないテーマが繊細に織り込まれ、強く訴えかけてくる作品です。

社会派サスペンス、ヒューマンドラマ要素もあるので、それらが好きな方には間違いなく名作になるでしょう。

まとめ


おすすめの邦画サスペンスをなるべく幅広いジャンルや年代から、かつクオリティを重視して厳選してお届けしました。
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この3つの理由から、邦画サスペンスはdTVで観ることをおすすめしておきます。

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