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地上約400kmに位置する国際宇宙ステーション(ISS)。
この完全な密室で火星より回収した未確認生命体と、6人の宇宙飛行士達の絶望的な戦いを描いたSFパニックホラーの名作、「ライフ」。

この映画は2017年に公開、興行収入ランキング初登場4位を記録したいわば「超大作ではないものの隠れ名作」といったところでしょうか。
そこで、名作SFホラー「ライフ」について、ネタバレを交えながら徹底的に掘り下げてご紹介します。

映画「ライフ」のあらすじ


世界中から選りすぐられた6人の宇宙飛行士たち。

医療を担当するデビッド・ジョーダン(ジェイク・ジレンホール)、
検疫官(感染症などに対する専門家)のミランダ・ノース(レベッカ・ファーガソン)、
航空エンジニアであるローリー・アダムス(ライアン・レイノルズ)、
システムエンジニアのショウ・ムラカミ(真田広之)、
生物学の権威ヒュー・デリー(アリヨン・バカレ)、
そして、彼らを統括する司令官エカテリーナ・「キャット」・ゴロフキナ(オルガ・ディホヴィチナヤ)。

ISS(国際宇宙ステーション)に集められた彼らの任務は、火星探査機が持ち帰ったサンプルの極秘調査であった。
研究の結果、地球外生命体の細胞であることを発見し、世紀の事実に喜ぶクルーたち。
研究を進めるうち、細胞は驚くべき速さで成長・進化を遂げていた。

そして彼らは知る、その細胞の持ち主はかつて火星を支配した恐るべき生命体の一部であったことを…。

映画ライフの予告編


「ライフ」というあまりに平易なタイトルで、内容の想像がつきにくいのが本作の難点。
タイトルで「ヒューマンドラマかな?」と思った方もいるでしょう。

映画「ライフは」実は本格的なSFパニック・ホラーです。「エイリアン」などをイメージしてもらうとわかりやすいでしょう。

映画ライフキャストとスタッフ紹介


「閉ざされた限定的な空間で敵に襲われる」といった設定は不朽の名作「エイリアン」をはじめとして、またSFというジャンルに限らず王道的、つまりややもすると飽きが来る「ベタな」手法です。

であるにも関わらず、本作「ライフ」が評論家や視聴者問わず高い評価を得ているのは、主にキャストの力と演出(展開)の力です。
特に「恐怖感」と「圧迫感」の演技・演出とも非常に高いレベルにあります。
そこで、「ライフ」のキャストと監督についてご紹介しておきます。

豪華すぎる顔ぶれが話題

出典: ja.wikipedia.org

主人公である医師、デビッド・ジョーダンを演じたのはジェイク・ギレンホール。
2005年に公開された「ブロークバック・マウンテン」でLGBTのカウボーイを演じ、その演技力で世界中から高い評価を受けた人です。
英国アカデミー賞の助演男優賞を受賞しました。

いわゆる「超大作」のような話題性ではなく、内容重視で作品を選ぶ実力派の俳優。
「聡明で穏やかながら心の奥に情熱や狂気を秘める」というような人物を演じたら世界でもトップクラスの名優です。
また、「ピープル」誌の「世界で最も美しい50人」にも選出されるなど、セクシーな雰囲気も魅力です。

出典: ja.wikipedia.org

続いて感染症対策のスペシャリスト、本作のヒロイン的立ち位置の検疫官ミランダを演じたのはレベッカ・ファーガソン。「ミッション・インポッシブル/ローグ・ネイション(2015)」「フォールアウト(2018)」で謎の美女を演じたことでおなじみの彼女。

TVシリーズ「The White Queen」でゴールデングローブの主演女優賞にノミネートされるなど、その実力は折り紙付きです。知的かつクールビューティーな彼女の魅力とミランダのキャスティングがバッチリフィットしています。

出典: ja.wikipedia.org

艦内のムードメーカーで陽気な(うるさすぎるという説アリ)航空エンジニア・ローリーを演じるのはライアン・レイノルズ。
「世界一ウザいヒーロー」デッド・プール役を演じ、世界中を笑いの渦に叩き込んだ俳優です。

ウィットに富んだ切り返し、暴言スレスレのブラックジョークなどコメディ俳優としての実力はもちろん、数々のアクション映画で鍛え上げられた肉体を公開するなど、ストイックな面もある幅の広さが彼の魅力。
本作では、シリアスな展開の中でその存在感が中和剤のような役割を果たしていますが…。

出典: ja.wikipedia.org

家族愛に溢れるシステムエンジニアを演じたのは、真田広之。
1980~1990年代はアクション俳優/トレンディ俳優として日本で高い人気を誇った彼でしたが、2000年あたりからは海外に進出、「リア王」で全編英語かつ17世紀に由来する難解なセリフを見事に演じきり、エリザベス女王から勲章を授与されています。

「ラスト・サムライ」での見事なアクションシーンからもわかるように、「言葉と身体の力」両方を高いレベルで使えることが最大の魅力。
渡辺謙と並んで、最も世界に通用している日本人俳優といえるでしょう。

他にも「ダークナイト」にもキャスティングされた名脇役アリヨン・バカレ、ロシアインディーズ映画界の名女優オルガ・ディホヴィチナヤなど、知る人ぞ知る名俳優たちが一堂に会した豪華なキャスティングが「ライフ」の持つ大きな魅力の1つです。

監督はダニエル・エスピノーサ


本作でメガホンをとったのは若干42歳の新進気鋭、ダニエル・エスピノーサ監督。主演にデンゼル・ワシントンを迎え、興行収入200億円超を上げた「デンジャラス・ラン」が代表作でしょうか。

「デンジャラス・ラン」は組織を裏切り、世界中に指名手配されるも10年間逃亡を続ける元CIAの工作員の逃亡劇を描いたアクション映画です。「デッドプール」でおなじみ、本作にも登場したライアン・レイノルズも登場しています。

2作の共通する特徴として、「設定やストーリー展開自体は比較的よくあるパターン」であることが挙げられます。脚本家との兼ね合いもあるでしょうが、「着想自体がすでにヒットを約束されている」タイプではないように感じます。

エスピノーサ監督の最大の魅力は、ありがちな展開を逆手にとって予測不能な展開に視聴者を引きずり込むこと。この演出が非常に優れていて、安定的な展開を楽しみつつも予想外の結末に視聴者は驚愕することになります。

張り詰めた空気やギャップを利用した恐怖を生み出すのも上手く、ここに発想力がついてくれば、と考えると末恐ろしい才能です。

映画「ライフ」のネタバレ


王道的展開ゆえのわかりやすさ・安定感と、緻密な心理・情景描写が生み出す先の見えない絶望的な緊張感をバランスよく組み合わせたところが「ライフ」最大の魅力。

ストーリーの大筋は本当にシンプルで、地球外生命体の確認という世紀の発見に喜びに湧く一同、それが徐々に暗雲立ち込め、最終的には人類の存亡をかけたミッションになるというもの。

ここからはネタバレ要素を含めて「ライフ」の魅力を語っていきましょう。

強力な火星生命



ストーリー上最大のメイン要素になるのが、火星で採取された未確認生物「カルビン」。
最初はほんのひと欠片であったカルビンは、クルーたちの手厚い保護(?)によってスクスクと育っていきます。

軟体動物のようなフォルムもどこか「キモ可愛い」雰囲気を出していて、実際クルーたちも愛着を持って接している様子。
ところが大きくなるに従って、高い知能と戦闘能力を発揮しはじめます。

カルビンのやばいところは全身に「脳と筋肉」しか存在しないところ。
弱点がほとんど存在せず、さらに恐るべき柔軟性を持ち環境適応能力も人間の比ではありません。
最終的に大型のタコを思わせるシュールかつグロテスクな形態に進化することも、恐怖感を増幅させます。

自己犠牲

対してISSのクルーたちは専門知識を有しているとはいえ、ただの人間。
さらにろくな武器も対策もなく、ほとんど全編やられっぱなしです。
つまりたいていは有効な対抗手段もなく、抵抗虚しく命を落とすか、あるいは身を犠牲にしてカルビンを道連れにするか、という選択肢になります。

作品中には「規約」という言葉が出てきます。
これは「もしも入手したサンプルが地球にとって有害なものであった場合、最終手段としてISSごと放棄する」というもの。
この「放棄」にはクルーたちの命も含まれています。

物語の中盤辺りに主人公のデビットは、人類そのものに辟易していることを感じさせる描写があります。
また、真田広之が演じたムラカミは、家族の命やひいては人類を守るため、カルビンを道連れにしようと試みます。
両者の「自己犠牲」へのアプローチ、理由が対比して描かれる興味深いシーンです。

意外なラストの展開


奮闘虚しくカルビンの襲撃の前に次々と命を落としていくクルーたち。
最後に残るのは医師のデビット、検疫官のミランダの2人のみというところまで追い詰められます。

「地球には帰らない」と人類に対してネガティブな感情を持ちながらも(またはそれゆえに)、自分とカルビンを脱出ポットに乗せ、宇宙の果てに旅立つ決意をするデビット。
任務と個人的感情の間で揺れながらも、最後には家族に会うため地球に帰りたいという希望をあらわにするミランダ。

しかし、カルビンの抵抗と不幸な事故という2つの偶然が重なり、結末は両者の予想したものと真逆の展開を迎えてしまいます。
果たしてカルビンを乗せた脱出ポットは地球に到着。

「開けるな」と訴えるデビットの制止も虚しく、民間人によって開かれてしまい…。

映画ライフの感想


まず最も目を引くのは宇宙空間や船内などのディティール、映像表現が非常に美しいことです。
映像を中心に「単なるパニックホラー」として楽しむだけでも十分楽しむことができます。

さらに、本作の一貫するテーマとして、「未知のものへのアプローチ」について描かれています。
人間の歴史とはつまり発見の歴史。

偉大なる発見とは逆方向から見れば侵略の歴史です。
本作の場合は「火星人」であるカルビンが地球人を次々と襲っていますが、カルビンの側からすれば地球人は「侵略者」そのものです。

だからというべきなのか、他の作品と比べて視点上「敵」であるはずのカルビンは、「善悪の観念を感じさせない無機質な存在」として描かれています。

文化も生活様式も宗教や死生観も何もかも違う「他者」のテリトリーに予備知識もなく土足で入り込むこと、こちら側の都合だけでそれを「偉大」だとすり替えること。
人間という「生命」の闇ともいえる部分を痛烈に描いた作品と解釈することもできるでしょう。

まとめ


ステレオタイプでシンプルな展開ゆえのわかりやすさと、それらを裏切る予測不能な展開に手に汗を握る秀作「ライフ」。
パニックホラーとして楽しむも良し、社会的なメッセージを含んだサスペンス・スリラーとして楽しむも良し。

また、本作にハマる方はSFパニックホラーの金字塔「エイリアン」や、密室劇の人間関係を描いたSFサスペンス要素が気に入ったら「ゼロ・グラビティ」もおすすめ。

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