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1974年にフランス製作された映画で、本作品の登場以前は地下で細々と流通していた「ポルノ作品」というジャンルを「商業作品」として成立させた画期的な作品といえるでしょう。主人公の若妻エマニエルが夫の赴任地であるバンコクで自由奔放な性生活を送りつつその内的な美しさを開放していく、という筋立てで、1974年当時全世界で15億円の興収を超える世界的なヒットとなりました。

映画『エマニエル夫人』1人の女性が美しく性を開花させるまで

1974年にフランス製作された映画です。原作はエマニュエル・アルサンの小説『エマニュエル夫人』で、ファッションフォトグラファーだったジュスト・ジャカンが監督、主演はファッションモデルで女優としてのキャリアはほとんどなかったシルビア・クリステルが抜擢されました。

テーマとしては女性の性の開放がテーマになっていますが、それまでのいわゆるポルノと違い、美しい映像美や演劇的な演出などによって全体的にオシャレでアンニュイな雰囲気に仕上がっている点が特徴。この点が特に若い女性に受けて大ヒットとなりました。

1970年代という女性の性がそれほど開放的に語られなかった時代に「一般映画」として登場した本作の衝撃は測り知れないものがあったのです。のちにシリーズ化もされ、後年には1作目のリメイクも制作されています。

■作品タイトル:エマニエル夫人
■ジャンル:ソフトポルノ・女性向けポルノ
■脚本:エマニエル・アルサン「エマニエル夫人」
■脚本:ジャン=ルイ・リシャール
■監督:ジュスト・ジャカン
■制作会社/配給:日本ヘラルド映画
■生産国:フランス
■公開年: 1974年6月26日(フランス)
      1974年12月21日(日本)
■上映時間:91分

映画『エマニエル夫人』の出演者

「エマニエル夫人」の主演を務めたシルビア・クリステルは当時、「ヴォーグ」の表紙を飾るほどのファッションモデルでしたが、女優としては無名でした。しかし、本作の大ヒットにより一躍世界的なスターとなります。映画がヒットしたあと、日本にもやって来て何度かテレビやCMに出演しています。また、性の指南役であるマリオ役を演じたアラン・キューニーはフェデリコ・フェリーニの「甘い生活」などにも出演した実力派俳優です。

エマニエル役|シルビア・クリステル

主人公のエマニエルは外交官の夫を持つ有閑夫人。夫の転勤でタイのバンコクへ赴くことになり、そこでさまざまな出会いを通じて性的な体験を重ねていく。

■名前:シルビア・クリステル
■生没年:1952年9月28日~ 2012年10月17日
■人物紹介:
オランダのユトレヒト出身のファッションモデルで、本作の大ヒットによって世界的な名声を得ます。オランダ語や英語など、5か国語を話すマルチリンガルでしたが、自叙伝によるとその人生は波乱万丈。

アメリカでの成功を夢見て本作ヒット後アメリカへ移住しますが、その後の私生活では度重なる離婚やコカインなどに苦しみ、1990年代以降目立った成功はできませんでした。2012年に咽頭がんの手術を受けた後、脳卒中に倒れ60歳の若さで亡くなっています。

マリオ役|アラン・キューニー

バンコクの社交界で大きな影響力を持つ謎の男。「反文明のセックス」を唱え、エマニエルに性的な自由と開放を植え付けていく。

■名前:アラン・キューニー
■生没年:1908年7月12日 ~ 1994年5月16日
■人物紹介:
フランスのベテラン俳優。ゴダールやフェリーニといったフランスの名匠の作品では常連の俳優でした。「ノートルダムのせむし男」のフロロ役や「甘い生活」のステイナ―役などが有名。日本映画の「雨にアムステルダム」等にも出演しています。

ジャン役|ダニエル・サーキー

エマニエルの夫で外交官。タイのバンコクへの赴任が決まり、一足先に現地に向かった。その後、空港に降り立ったエマヌエルを出迎え、久々の再会を喜びあった二人は蚊帳の中で激しく愛し合うのだが…

■名前:ダニエル・サーキー
■生没年:1943年2月3日~1999年12月6日
■人物紹介:
クロアチア生まれの俳優。「エマニエル夫人」で知られていますが、他にも1980年の「ヴェニスの商人」等にも出演しています。1999年に56歳の若さで亡くなっています。

マリアンジュ役|クリスティーヌ・ボワッソン

エマニエルがバンコクで出会った有閑夫人。レズビアン趣味があり、性的に充たされないでいる。エマニエルに興味を持ち、彼女をスマッシュに誘った際に彼女を抱きしめて誘惑する。

■名前:クリスティーヌ・ボワッソン
■生没年:1956年4月8日 ~
■人物紹介:
フランス出身の女優で、現在も活躍中。「ある女の存在証明」「殺しの封印」などに出演しているほか、2002年の名作リメイク「シャレード」など、アメリカ映画にも出演しています。

ネタバレなし!映画『エマニエル夫人』のあらすじ

外交官の妻であるエマニエルは、愛する夫にも恵まれ、経済的にもそれなりに幸福な日常を送っていた。そんな中、夫がタイのバンコクに赴任することになり、エマニエルもバンコクでの暮らしを始めることになる。そこでフランス人や現地の社交界の人々と出会ううちに、美しいエマヌエルは数々の性的な誘惑を受けることになる。

ある時、エマニエルは知人の紹介で謎の男マリオを紹介される。彼はバンコクの社交界で絶大な影響力を持つ「性のカリスマ」だった。やがてエマニエルは彼の手によって数々の「性の儀式」の洗礼を受けることに。おとなしく内気だったエマニエルの内に秘めた欲望が次第に開花していくことになる…。

映画『エマニエル夫人』は小説が原作のシリーズ映画

性の開放をテーマに、女性が観ても楽しめるポルノ映画として大ヒットした「エマニエル夫人」は、エマニュエル・アルサンの小説『エマニュエル夫人』を映画化した作品です。1作目のヒットを契機に、シルビア・クリステルの主演した続編が2作品、のちに新たに作られた派生作品もいくつか存在します。

【2作目】続・エマニエル夫人

2作目は1作目の1年後、1975年に制作された『続 エマニエル夫人』です。シルビア・クリステルが引き続き演じます。今回の舞台は香港です。1作目はまだまだ内向的だったエマニエルでしたが、2作目ではすでに性を謳歌するマダムとなって、もはや所かまわず欲望に忠実にセックスライフを送っています。

舞台が東洋ということもあり、鍼灸や房中術などのオリエンタルな要素も入れ込んだ内容も見どころ。

【3作目】さよならエマニエル夫人

3作目は1977年に作られた『さよならエマニエル夫人』です。エマニエル夫人としての物語はこの3作目で完結するので、エマニエル夫人シリーズは3部作として扱われることもあります。今回の舞台はセイシェル諸島。南国の島で、エマニエルは若い映画監督と出会って恋に落ちるという物語です。

もはや設定などもかなりいい加減になっていて、外交官だったはずの夫のジャンがいつの間にか別の俳優に入れ替わっているだけでなく、職業も建築家に変更。もはや1作目のインパクトもなく、シリーズとしてもこの作品で1つの節目となりました。

その後も多くのシリーズ続編が作られた

エマニエル夫人は上記の3部作以降も続編が作られています。主な作品は次の通りです。

■エマニュエル(1984)
シルビア・クリステルが主演しています

■エマニエル ハーレムの熱い夜(1986)
主演はモニーク・ガブリエルに交代。発売時は「エマニエル5」

■エマニエル カリブの熱い夜(1988)
主演はナタリー・エール。「エマニエル6」とも

■エマニエル パリの熱い夜(1993)
主演にシルビア・クリステルが復帰。1作目から19年後という設定。

TVシリーズ
■エマニュエル・ザ・ハード(エマニュエル~媚薬の香り)(1992)
全7話で主演は再びシルビア・クリステル。

映画『エマニエル夫人』の見どころ

『エマニエル夫人』は一般層にもその名を知られているポルノ作品という点ではかなり稀有な作品です。まだ観たことがない方でも「エマニエル夫人」という単語やテーマ曲などを耳にしたことがあるはずです。それでは映画としてどのような見どころがあるのか、紹介しましょう。

多くの女性が共感した「性の解放」というテーマ

「エマニエル夫人」は内容的にはポルノ映画とカテゴライズできますが、それ以前のポルノと大きく違ったところは、セックス描写をゆったりと幻想的に演出し、描いたという点です。1970年代以前までは女性が大っぴらに性について語ることができなかったこともあって、この時代に女性が見て楽しめる「ポルノ」として作られていたことはかなり画期的でした。

性的な欲望に対して主体性のあるキャラクター設定も女性の共感を呼びやすく、作品に登場するさまざまな登場キャラクター自体にも人気がある作品です。

今なお語り継がれる「エマニエルの椅子」

『エマニエル夫人』といえばアイコンとなっているアイテムがあります。映画公開時の衝撃的なポスターで、エマニエルが座っている籐(ラタン)で編んだ豪華な椅子ですね。胸をはだけた状態で左足先を右大腿部にのせ、物思いにふけるエマニエル夫人の気だるい様子に衝撃を受けた人は多いでしょう。

この椅子はエマニエル夫人を象徴するアイコンとなっているのですが、なんと本編でこの椅子は登場しません。ポスターでのみ登場する小道具なのですが、多くの観客にとって「エマニエル夫人といえばこの椅子」というインパクトを与えることになりました。

映画を彩る美しい音楽

「エマニエル夫人」の世界観を語るうえで欠かせないのが音楽です。「クリクリのいた夏」「ゴールド・パピヨン」「O嬢の物語」などでも知られるフランス人作曲家ピエール・ヴァジュレが作曲したサウンドトラックは、今でもいろいろな場所で耳にする名曲ばかり。

テーマ曲である「エマニエル夫人」はエマニエルのテーマとしておなじみの楽曲で、ゆったりとしたリズムと官能的な旋律が、映画の世界観に彩りをそえます。

映画『エマニエル夫人』が日本映画界に及ぼした影響

『エマニエル夫人』は日本でも異例ヒットとなり、これ以降、下火だったポルノ映画業界がこぞって「エマニエル夫人」に便乗した作品を作るようになりました。そしてもう1つ大きな影響があったのは映倫指定の問題です。

エマニエル夫人登場以前は「成年映画」と「一般映画」の2つの基準しかありませんでしたが、エマニエル付近は女性の観客が多かったということもあって「一般映画」として公開された経緯があります。これが当時、局部を消すかどうかといった論議なども起こって物議をかもしたのです。

そこでこれまでの2つの基準では分類できないということになり、新たに「一般映画制限付き」、いわゆるR指定という基準が作られることになります。R指定は『エマニエル夫人』がきっかけなんですね。

映画『エマニエル夫人』はdTVで配信中!

官能映画の代表的な作品である『エマニエル夫人』は、公開から半世紀比較経った今も多くの映画ファンの語り草となっている作品。女性が見ても楽しめるポルノとしては、いまだに最高峰といえる作品かもしれません。

幻想的な映像美や音楽、シルビア・クリステルの退廃的ながらも美しいたたずまいは、映画ファンなら一度は観ておきたいところ。dTVでは主要3部作すべて観ることができるので、これを機会にぜひご覧ください。

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