世界が注目!「パラサイト 半地下の家族」を徹底解説
目次
高く評価される「パラサイト 半地下の家族」って?

「パラサイト 半地下の家族」は2019年に公開された韓国映画です。
監督は「殺人の追憶」や「グエムル 漢江の怪物」、「母なる証明」など大ヒット作を世に出し、国内外で高く評価されるポン・ジュノ。
そして、彼と4度目のタッグを組むのは韓国を代表する実力派俳優であるソン・ガンホ。
そのほかにも個性豊かな実力派俳優たちが名を連ねます。
韓国での動員は1000万人を突破する大ヒットを記録しました。
韓国だけでなく、第72回カンヌ国際映画祭では最高賞であるパルムドールを受賞し、第92回アカデミー賞では作品賞を受賞するなど海外でも高く評価されました。
2つの賞はともに、韓国映画として初の受賞という歴史的快挙を成し遂げました。
全世界の人々をそこまで夢中にさせる韓国映画「パラサイト 半地下の家族」とはどんな映画なのか、この記事で説明していきます。
気になる主なキャストをご紹介!
キム・ギテク役:ソン・ガンホ

出典: ja.wikipedia.org
名 前: ソン・ガンホ (Song GangHo)
ハングル表記: 송강호
生年月日: 1967年 1月 17日
身長/体重: 180cm, 72kg
慶尚南道金海市生まれ。中学校2年生の時から俳優を志し、釜山の慶尚大学校放送芸能科に入学するが、まもなく入隊することになり中退。
24歳の時に地方劇団で演技をはじめ、演出家のイ・サンウに出会って10作余りの演劇作品に出演していた。
1996年から長編映画に出演するようになる。
2000年に出演したパク・チャヌク監督の「JSA」では数多くの賞を受賞し、演技力とスター性が世間に認められた。
その後「復讐者に憐れみを」や「殺人の追憶」、「グエムル 漢江の怪物」に出演し、韓国の国民的俳優となる。
「タクシー運転手 約束は海を越えて」や是枝裕和監督の「ベイビー・ブローカー」などに出演し、国際的に評価される。
「ベイビー・ブローカー」では2022年に韓国人俳優として初のカンヌ国際映画祭男優賞を受賞した。
本作では半地下に住むキム家族の大黒柱で、家族思いな父親キム・ギテクを演じる。
キム・チュンスク役:チャン・へジン

出典: skyenm.com/
名 前: チャン・ヘジン (Jang HyeJin)
ハングル表記: 장혜진
生年月日: 1975年 9月 5日
釜山広域市出身。
1998年に映画「クリスマスに雪が降れば」でデビューするが、演じることが幸せでないと感じて演技の仕事を辞める。
ポン・ジュノ監督から映画「殺人の追憶」への出演オファーが来るも、当時デパートの販売員として務めていたため断る。
オファーの連絡を機にデパートを辞め、2007年にイ・チャンドン監督のカンヌ受賞作である「シークレット・サンシャイン」で女優活動を再開した。
2019年にtvNで放送され、Netflixの配信から全世界で大ヒットした韓国ドラマ「愛の不時着」にも出演し、2021年には同じくtvNの「賢い医師生活2」に出演。
本作では元ハンマー投げのメダリストで、気が強いギテクの妻であるキム・チュンスクを演じる。
キム・ギウ役:チェ・ウシク
名 前: チェ・ウシク (Choi WooShik)
ハングル表記: 최우식
生年月日: 1990年 3月 26日
生まれは韓国のソウルだが、11歳のころにカナダのバンクーバーに移住する。
カナダの大学で舞台演出を勉強していた。2010年、友人に演技を勧められ、韓国に戻ってドラマのオーディションを受ける。
その後2011年に「チャクぺ -相棒-」で俳優デビューを果たす。
2014年に映画「巨人」で映画初主演、2015年にドラマ「ホグの愛」でドラマ初主演を果たす。
2016年に出演した映画「新感染 ファイナル・エクスプレス」は、観客動員数1000万人を突破するほどの大ヒットとなった。
2017年に韓国とアメリカ合作で、第70回カンヌ国際映画祭ではNetflix配信作品としては初のメインコンペティション部門に出品された「オクジャ/okja」に出演、2021年にはSBSドラマ「その年、私たちは」に主演するなど注目作に数多く出演する実力派俳優。
本作では、キム家の長男で大学受験で浪人を重ねるキム・ギウを演じる。
キム・ギジョン役:パク・ソダム
名 前: パク・ソダム (Park SoDam)
ハングル表記: 박소담
生年月日: 1991年 9月 8日
身長/体重: 165cm
高校在学中にミュージカルを見て演技に興味を持ち、その後複数の独立映画に出演。
2013年独立映画「スティール・コールド・ウインター〜少女〜」で長編映画デビュー。
2015年に出演した映画「ベテラン」は観客動員数1,300万人超える大ヒット作となった。同年に公開された映画「プリースト 悪魔を葬る者」では、悪霊に取り憑かれる少女・ヨンシンを演じるために丸刈りにし、数々の賞を受賞した。
2021年には甲状腺乳頭がんと診断され、手術をしたことを公表。
本作では、キム家の長女で美大を目指す浪人生のキム・ギジョンを演じる。
「パラサイト 半地下の家族」のあらすじ
出典: movie.daum.net
キム一家は家族全員が失業中で、“半地下住宅”で貧しい生活を送っていた。
父ギテクは過去に度々事業に失敗し、計画性もないが楽天的。そんな夫に強くあたる元ハンマー投げメダリストのチュンスク。大学受験に落ち続ける長男のギウ。美大を目指す長女のギジョン。そんな家族が望むのは“普通の暮らし”だった。
ある日、長男ギウはエリート大学生の友人から留学中の家庭教師代打を依頼される。学歴はないが受験経験は豊富なギウは依頼を受け向かった先は、IT企業の社長パク・ドンイク一家が暮らす高台の大豪邸だった。
パク一家の心をつかんだギウは、続いて妹のギジョンも家庭教師として紹介する。正反対の二家族が交差した先に、想像を超える衝撃な展開が待っている……。
世界中で大変話題になった本作。この後は見どころなど解説していきます!
見どころ1:豪華俳優が特別出演!
出典: movie.daum.net
映画「パラサイト 半地下の家族」には注目俳優であるパク・ソジュンが特別出演しています。
パク・ソジュンは1988年生まれの俳優。
韓国ドラマ「キルミーヒールミー」(2015年、MBC)や「彼女はキレイだった」(2015年、MBC)、「キム秘書はいったい、なぜ?」(2018年、tvN)などラブコメに多く出演していましたが、韓国のウェブ漫画を実写化し、主人公であるパク・セロイを演じた「梨泰院クラス」(2020年、JTBC)がNetflixで配信されると日本でも一気に話題となりました。
そんなパク・ソジュンの役どころは、名門大学に通うエリート大学生でキム一家の長男・ギウの友人・ミニョク。
彼は、ギウにパク一家の家庭教師の仕事を持ち掛けるという、キム一家とパク一家の架け橋となる重要人物です。
ギウ役のチェ・ウシクとパク・ソジュンはプライベートでも仲良し。
そのため、ギウとミニョクがお酒を飲みながら話すシーンは、やり取りも自然で息ピッタリです。
解説:実際に半地下の家族はいる?韓国の文化?
出典: movie.daum.net
本作に登場するキム一家が住む“半地下住宅”。
“半地下”の家は、窓を開ければ路上で散布される消毒剤が入ってくるし、電波が悪く、Wi-Fiも弱い。さらに、水圧が低いためトイレが家の一番高い位置に鎮座しています。
「パラサイト 半地下の家族」で注目された半地下住宅とは本当にあるの?と思った方もいるでしょう。
まず、韓国では半地下の物件は実際に存在しています。デメリットは多いものの賃貸が安いため、現在若者が懸命に働いて住んでいるパターンが多いとのこと。
半地下住宅が作られた理由は、朝鮮戦争だと言われています。
1950年代に勃発した朝鮮戦争後、万が一の事態に備えて1970年代から防空壕の役割を持つ空間が住居の下に作られました。それが、半地下住宅のはじまりとされています。ただ当時は居住目的ではないため、キッチンもトイレもないものでした。
その後、1984年に地下層に関する住宅関連法案の規制が緩和し、倉庫的な役割であった半地下空間を居住空間にリフォームしながら、半地下住宅として利用が開始されました。低所得者層を中心に利用者は増え、2015年の調査では約36万世帯が半地下住宅に居住していたことが分かりました。
普通の部屋を借りるにも多額の保証金がかかったり、まとまったお金が必要になります。それらを払うことが困難な人々にとっては半地下住宅は救いになるのかもしれません。
見どころ2:描かれる韓国の格差社会!
出典: movie.daum.net
先ほど説明したように、半地下住宅は低所得者層を中心に広がっていきました。そこに住むキム一家も貧しく、内職で日々をつないでいます。
そんな家族が大豪邸を持つパク一家と関わっていき、ストーリーが展開していきます。
映画「パラサイト 半地下の家族」では、キム一家のような貧困層とパク一家のような富裕層との格差がはっきり描かれています。
キム一家の住んでいる半地下に入るには階段を降りなくてはならず、対して高台に住んでいるパク一家は階段を上って家に向かいます。
また、大雨が降る日の描写ではキム一家が住む半地下は下水が溢れかえってしまいますが、パク一家は高台の豪邸に住んでいるため大雨は他人事。
このような対比的な描写が劇中にも多く、キム一家とパク一家の格差が分かりやすくなっています。
この他にも、ポン・ジュノ監督のこだわりの演出や独特の表現を見つけるのも面白いです。
見どころ3:先の読めないストーリー展開!
出典: movie.daum.net
映画「パラサイト 半地下の家族」は先の読めないストーリーと衝撃の展開が見どころです。
ポン・ジュノ監督も自ら「ネタバレをしないでほしい」とお願いするほど。
貧しい家族が富裕層の家族に入り込んでいき、その後どうストーリーが展開されるのか…見る人の予想は裏切られると思います。
映画のジャンルは「ブラックコメディ」と紹介されていますが、見ていくとそれだけではなくどんなジャンルに分ければいいか難しいです。それは、映画の前半と後半で雰囲気がガラッと変わるためです。
笑える場面も多い前半と打って変わって、後半はグッと緊張感が増して見ているこちらにも力が入ってしまいます。
次に何が起こるのか想像がつかないストーリー展開は、まるでジェットコースターのようでワクワクが止まりません。
そんなエンターテイメント性も持ちつつ、社会風刺も効いているので見終わった後に誰かと語りたくなる映画です。
一度見るだけでも十分面白いですが、2度目以降の視聴でポン・ジュノ監督独特の細かい演出や、キャラクター1人1人のセリフも見方や感じ方が変わるかもしれません。
まとめ

ここまで韓国映画「パラサイト 半地下の家族」についてご紹介してきました。
本作は韓国のみならず世界中で注目され、高く評価された作品です。
ポン・ジュノ監督による唯一無二の作風と、韓国の実力派キャストの力があったからこそ生まれた名作です。
社会問題を含みつつも、ジェットコースターのような先の読めないエンターテイメント作品になっています。
気楽に楽しめるけれど、見終わって多くを考えさせられる作品ですので、誰かと話したくなること間違いなし!
ぜひ歴史的快挙を達成した韓国映画「パラサイト 半地下の家族」を楽しんでください!
本作品の配信情報は2022年10月14日時点のものです。
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